機動戦士ガンダムSEED DESTINY

GUNDAM SEED DESTINY
久しぶりに濃い内容のアニメを見た。これは嫌味でもなんでもなく素直な感想です。
しかし、コレが最終回でいいの?

本来の主人公(だったはず)シンは、最後まで「アンタって人は!」としか言えない。他にないのか?
ルナマリア・ホークにすがりついて泣くシーン。何に対して涙したのか理由が分からず。
 1. アスラン・ザラに負けたのが悔しい。
 2. レクイエムが破壊されて作戦失敗で悔しい。
 3. 気を失っている間にステラ・ルーシェと話が出来て、涙。
 4. ルナマリアに優しくされて、うれし泣き。
 5. オーブが無事だと分かって、うれし泣き。
結局、ギルバート・デュランダル議長にいいように使われただけで、作品的にはただの「かませ犬」。
主人公が「かませ犬」って画期的だよな。

前回、妹(メイリン・ホーク)が、エターナルにいることを知ったはずなのに…。
本物のラクス・クラインがどこにいるかも知っているはずなのに…。
それでもザフト軍に忠誠を尽くすのは、軍人の鑑とは思いますが…。
インパルスガンダムインフィニットジャスティスガンダムアスラン)と敵意を持って戦う理由もちょっと弱い気がします。
 1. 軍の命令は絶対。
 2. 妹を脱走兵にした恨み。
 3. 「なぜ私を連れて逃げてくれなかったの?」という恨み。


デスティニーガンダム(シン)とインフィニットジャスティスガンダムの戦い、というよりアスランのセリフで、やっとこの戦いの無意味さに気付いたらしいルナマリア
しかし、割ってはいるのがアスランの前っていうのが、「現在の恋人」より「昔の憧れの人」って感じで意味深。
たぶんシンも「なんで、そいつの前に立つんだ?!」ってことで、パルマ フィオキーナ*1ルナマリアに向けて使ったのかも。

今シリーズもっとも注目したキャラクター。
しかし、最終回でギルと呼んで親しかったデュランダル議長を撃ち殺し、
タリア・グラディス艦長を「お母さん」と呼ぶことで、今迄の積み重ねを無意味にしてしまった。
ラウ・ル・クルーゼのクローンとして、最後まで議長の矛となり戦うはずが、宿敵キラのセリフ*2で迷いが出来る。
そこまではいい。でもキラのセリフ*3で議長を撃ち殺す理由にするのは無理があると思う。
第一、レイが議長を殺す理由が分からない。
 1. ピキーンという精神感応でお互いが分かり合えてしまったために、キラの意志を代行した。
 2. 死ぬのが怖くなった。
 3. ラウとして生かされてきたのを恨んだ。
 4. 「SEEDを持つ者」として(レイが該当するかは未確認)可能性を否定する議長を見限った。
あの場合、議長の腕を撃てばすむ問題だと思うし、
殺す役はキラ・ヤマトかグラディス艦長でなければ意味を持たせることができないはずだと思うのに。

息子より昔の恋人(ギルバート)を選んだ人。
「この人の魂は、私が連れて行く」って『幽☆遊☆白書』の樹か?
たぶん、デュランダル議長を止めに行ったのだが、レイが撃ってしまったので仕方なくいっしょに死ぬことを選んだのだろう。
はじめから心中するつもりだったら、大笑い。
レイに「あなたも…よく頑張ったわね…。だから、もういい…」というセリフはクローンだと知っていたと解釈してよいのだろうか?

昔、恋人(タリア)にふられたのを糧に出世して議長になる。
【はじめから赤い糸が見えていれば、こんなつらい思いをしなくてもいいのに】これがデスティニープランの真相。
苦しみのない世界。それは彼の絶望から出た遺伝子に縛られる世界。
しかし、プランが実行されればレイ共々自ら世界から消える覚悟があったのではないかと思う。
そのために障害になりうるラクスやキラたちを消すことに全力を注いだのかもしれない。
そんな彼の唯一の救いは、彼女の腕の中で死ねたことだろうか。

最高のコーディネーターが操るストライクフリーダムガンダムは、レジェンドガンダムのドラグーンも、なんのその。
無傷で勝ってしまう。
前作とは違い、今回は誰にも言い負かされることなく、自分の気持ちを伝えられたのが好印象。


「…覚悟はある。僕は…戦う」
終わりのないディフェンスをすることを決意した主人公。
…やっぱり、主人公はキラだったのか...

迷い無き者は強い。
ルナマリアにしても、対シンにしても圧倒的です。

女は男の帰りを黙って待つ。
セリフが皆無とは、そういうことでしょう?

恒例の精神世界で登場。
「昨日もらったの…嬉しいの」
「だから分かるの…明日…」
エクステンデッドとして過去の記憶を消されていた自分には、昨日の記憶=シンとの思い出があるのがうれしい。
思い出があるから現在があって、明日を楽しみに迎えられる。
そう伝えたかったのかな?


前作の精神世界はフレイ・アルスターが「私が守るから」と登場。
当時の監督のコメントでは、キラには見えも感じもしていなかったらしいですが、
今回は、どんなコメントになるか楽しみです。


最終回で最大の謎は、スタッフロール後のストライクフリーダムガンダム発進シーン。
あのシーンにどんな意味があったのだろうか?
まさか、未来へ向けての希望を表しているなんてバカなこと言わないよね。

一年のまとめ

一年間お疲れ様です>各位
過去の予想*4は、3個中2個当たりということで満足な結果。
途中から「どうなるんだろう?」と内容自体より、収拾のつかなさに関心がいってしまいました。
モビルスーツ戦が少ないから、キャラクターのドラマが盛り上がるのかと思えば違うし。
気付くと総集編やっているし。
遺伝子で縛り付ける圧制者である議長に抵抗するのに、ラクスというカリスマでしか理由付けが出来ないのも問題だし。
序盤は、おおまかなストーリーがあったのだろうけど、その後は行き当たりバッタリで話進めていたなという感じだし。
前作が「ガンダム」だったのに、今回は「サンライズ公認のバッタモノ」って感じ。


いま言ってもしょうがないけど、最終回を見るまではカガリ以外は全員死亡エンドだと思っていた。
それがスッキリする気がしたんです。全部相撃ちでオーブ主導で世界平和を目指します。っていうのが。
巨大すぎるカリスマ(ラクスやデュランダル)も、強大な力(キラ達やアークエンジェル、レクイエムなど)も必要ない世界が目指すべき世界だと思ったから。

*1:シャイニングフィンガー

*2:「だからその命は君だ…彼じゃないッ!!」

*3:「だから明日が欲しいんだ…どんなに苦しくても、変わらない世界は嫌なんだ!!」

*4:20時頃にどしゃぶりが降る。 - かざまあきらのにっき

*5:2005-10-02 - かざまあきらのにっき