タッチ

http://touch.yahoo.co.jp/
Coffee南風 - Yahoo!ブログ
1,000円で観る。
生まれて初めて、映画を観ていて腹が立った。
スタッフ一同、原作*1を読んでいるのか?


序盤、上杉達也がボクシング部に入部するあたりまでは「そういう解釈もありだな」と好印象だった。
その後は、腹の立ちっぱなし。
映画を観ながら「くだらん」「つまんねぇ」「なにそれ」とつぶやくなんて、初めてのことだった。

  • 達也が練習試合で負けた夜のエピソード。

部屋を出た浅倉南の表情なんか必要ないだろ。
その後の達也の「どうして…」と南の「タッちゃんだから…」のシーンで意味を伝えろよ。

  • 勝戦前夜から当日早朝まで。

原作前半の屈指の一連のエピソードが、ただの幼なじみの三人キャッチボールシーンに成り下がる。
「プレイボール」と言わせないまでも、ここから「兄弟の勝負のスタート」を印象付けないと、
後半での達也の葛藤が観客に伝わらない。
…伝える気がないならしょうがないか。

  • 病院。

上杉和也が実際に事故に遭うシーンなんていらないの。
達也の「ウソみたいだろ」のシーンだけで十分。
先の「兄弟の勝負のスタート」が無いから喪失感が足らなくなる。

  • マネージャーとデート。

試合に負けて達也は野球部の練習に出なくなる。
さらにボクシング部のマネージャーとデートをする。
「主人公は挫折しなければならない」という理由でキャラクターを殺すな!

  • 新田明男

嫌なヤツ。そして、最後の試合でなぜ「楽しい」と言うのか分からない底の浅いキャラクター。

  • タッチ*2

意味もなく流れる曲。南(長澤まさみ)が走っているシーンのためだけに用意された曲。

神宮球場」としつこいまでに念を押すのはやめてほしい。
素直に違う(架空の)球場で試合すればよかったじゃないか。

  • 夏の大会に汗ひとつ流さない球児。

夏だよ。直射日光を浴びているんだよ。真冬でも野球すれば汗を流すの普通なの。
それなのに、だれも汗をかかないのっておかしいでしょ。

  • 好きです。

…達也も南も「好き」と言わないのが意味あると思うのです。
ずっと言わないから、最後のあの「上杉達也浅倉南を…」が深く重いセリフになるんだろう?
それを、途中で「好き」と言わせるなんて…。ホント、バカだろ!


出演者はよくやった。
悪いのはスタッフ。たぶん監督(犬童一心)と脚本(山室有紀子)が諸悪の根源。
よくまあ、こんなくだらない作品にしてくれたよ。
パンフレットには、

エピソード3ぐらいまであると、あのあだちさんのテイストに近いところまでできたかもしれないんだけど……

絶対無理!アニメの劇場版*3の足元にも及ばないよ。


多くの原作者(小説家、漫画家など)が「映像化は一観客として楽しみにしてます」と遠回しに「わたしとは関係ない作品です」宣言する理由がよくわかる。

*1:

タッチ―完全版 (1) (少年サンデーコミックススペシャル)

タッチ―完全版 (1) (少年サンデーコミックススペシャル)

タッチ 1 (小学館文庫)

タッチ 1 (小学館文庫)

タッチ (1) (少年サンデーコミックス〈ワイド版〉)

タッチ (1) (少年サンデーコミックス〈ワイド版〉)

*2:

タッチ/夢の続き

タッチ/夢の続き

*3:

劇場用アニメ タッチ DVD-BOX (初回限定生産)

劇場用アニメ タッチ DVD-BOX (初回限定生産)